先週の水曜日、今後のわたしの人生において大事な一つめの試験があった。
最近あまり着ることのないスーツを着用し、ラッキーカラーと誕生石を兼ねたふくろうのブローチを胸元につけて臨んだ。試験自体は、1時間。
この日に備え、準備してきた…が、久しぶりの試験には、やはり緊張した。
結果、合格。つぎの試験に臨んで良いとのこと。
ブローチは、母ががんとわかる前に地元の百貨店でわたしの誕生日にと買っておいてくれたもの。
最期の誕生日の贈り物になり、形見の品となってしまった。
生前、母は自分の給与やボーナスで、気に入った貴金属を見つけては、購入していた。2人の娘を思いながら、自分が亡くなった後に、喧嘩しないで、形見分けできるようネックレスを買ったら、次もネックレス、パールなら次もパールという風に。
亡くなった後、確かに二品ずつ似て非なるものが母の桐ダンスの引き出しにしまわれていたのを確認した。
亡くなった直後、その気持ちはありがたかったが、母の死を認めたくなくてそのまま引き出しにしまいこんだままだった。妹の引っ越しに伴い、久しぶりにその引き出しを開けた。形見分けは、結局まだしないまま、また引き出しに仕舞い込んだ。試験が全て終わったら、妹と形見分けして身につけようと思う。